23歳以下の日本には、ガキ大将がいないね。決められたパターンを繰り返すだけ。組織力が大好きだね。味方がいいポジションを取ったとしても、思いっきりドリブルで突破を仕掛けたり、無理にでもシュートを打ったり。もっと意外性がないと。完璧を求めすぎだね。たぶん。もちろんパスワークは大事だけど、そのパスで崩せないんだから。意外性を持たせないと。マリは楽だっただろうねえ。

大人と子供の試合だったね。展開力、足技、スピード…どれを取っても相手に及ばなかった。流れを読んで、一気に畳みかける「すごみ」も相手にはあった。もうパス、パスには飽きたよ。どうやって相手ゴールをこじ開けるか。それぞれがもっと真剣に考えないとね。決められたことだけを忠実にやることは、子供のやることだよ。大人はもっと責任感を持って、どう打開するか考えるものだよ。

守りの意識は強い。それはいいけれど、強すぎるのも問題だね。全員で守ってボールを奪うまではいいのに、そこからハードワークできない。攻撃に転じた時の人数も少ないよ。あと2人くらいは前線に絡まないとダメ。パスが好きなんでしょ? それなら、つらくても前に顔を出さないと。

アフリカ3位に、これだけの差がある。目標はパリ五輪の金メダルだそうだけど、その前にアジアを心配してよ。4月から最終予選(U-23アジア杯)が始まるのに、いまだ完成形のチームをつくっていないのは問題だ。大丈夫? パリ行ける? 大勝負の1カ月前に、いろいろな選手を試す必要がある? 五輪イヤー初戦とはいえ、熟させる時期なんじゃないのかなあ。(日刊スポーツ評論家)