日本代表(FIFAランキング17位)が宿敵イラン(同23位)を1-2と敗れた。3大会ぶり5度目の優勝を狙ったが準々決勝で散った。前半28分にMF守田英正が値千金の先制点を上げたが、後半に追いつかれ、アディショナルタイムにPKを献上。これを決められた。

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完全な力負けだね。両サイドで押され、中央でも相手の圧力に屈して両ボランチが下がってしまった。ベンチワークでも後手に回った。まともにシュートも打てなかった。終盤、日本が延長を視野に入れていた一方、イランは何とか90分で終わらせようとした。何ひとつ勝るものはなかった。

後半、1点を追う相手はラインを上げ、同時に前線からプレスをかけて反撃してきた。激しい球際、両翼も猛アタック。対する日本は、想定内だったはずなのに慌てた。同点とされてから三笘と南野を同時に入れたが、間延びした中盤では何にもできない。三笘のドリブルは研究されていた。南野は完全に消えていた。

相手がラインを上げ、逆に裏にスペースが生まれたのに、森保監督は浅野の投入をためらった。上田を残してロングボールを競らせて、こぼれ球を拾おうとしたが、間延びしたMF陣はセカンドボールを拾えなかった。それ以前に中盤でゲームを作ること自体、相手のプレスでできなかった。

これまで10連勝とか、欧州強豪に勝ったとか、甘い夢を見てきたね。脱アジア…目線だけ世界に向かっていた。もう夢から覚めたかな? 目を覚まそうよ。世界を夢見るのは、アジアを制してからでも遅くない。(日刊スポーツ評論家)

日本対イラン 試合に敗れた森保監督(撮影・足立雅史)
日本対イラン 試合に敗れた森保監督(撮影・足立雅史)