プロダンス「D.LEAGUE」の人気チームavex ROYALBRATSのYouTubeチャンネルでROUND.12の「Behind The Scene」が5月1日に公開された。各ROUNDの「裏側」を収録した「Behind-」は、本番前の舞台裏を伝えるパターンが多かった。今回は本番5日前のリハーサルの風景を追っている。作品が仕上がっていく様子がよく分かる、貴重な映像になっている。チャンネルに寄せられたコメントには「これが見たかった」という声が多かった。

私も他のチームに作品作りのリハーサルの取材を依頼したことがあるが、やんわり断られた。集中力を切らせたくないのか、失敗もあるだろう仕上がっていないものを、第三者に見せたくないというアーティストの本能なのか…。リハーサルは神聖な時間帯なのだと、思っていた。

「リハ・ビハインド」をリクエストしたのは、今回、JUMPEIとディレクションを任されたKooDaだったという。ディレクターのYuta Nakamuraがほぼノータッチで、2人だけで作り上げる作品のすべてを映像で残しておきたかったのだろう。そして、このROUNDは負けられなかった。逆転でチャンピオンシップに進出するには、ボーナスポイントが加算されるスイープ(6-0の完封勝ち)しかない。大一番のすべてを残す覚悟の表れだったのだと、勝手に想像している。

公開された動画はメンバーのリラックスした表情があふれていた。結果的にスイープ達成という結果が分かって見るからかもしれないが、なるほど、この前向きな表情こそ、大一番でいい仕事をする落ち着きなのかと感じることができる。もっとも、チームのムードメーカーでもあるKooDaの表情は本番が近づくほど…。ぜひ、確認して欲しい。

動画が公開されたのと同日、ニッカンプレミアムで連載中の「aRB 記事のASOBIBA」も公開した。JUMPEIとKooDaの対談を掲載したのだが、「ビハインド」のさらに裏側の製作過程が語られた。それは、ダンスのベースになる「音」へのこだわりだった。スタッフと険悪になるほど徹底した音作りがあったからこそ、ディレクターがノータッチでも、土壇場に追い詰められていても、余裕を持って準備できたことが伝わってきた。

今回、結果を見て、製作した2人にインタビューして、さらにそのドキュメント動画を確認するという、かつてない経験をさせてもらった。もちろん、これは取材者ではなくても、配信やYouTube、手前みそながら「オドリバ」を駆使してもらえば、体験できる。初めてシーズンを通して取材した、D.LEAGUEの楽しみ方が、よく分かった気がした。【特別編集委員・久我悟】

JUMPEI×KooDaが語り合うニッカンプレミアムはこちら>>

ROUND.12でスイープを達成して涙が止まらないavex ROYALBRATSのメンバー ©D.LEAGUE 23-24
ROUND.12でスイープを達成して涙が止まらないavex ROYALBRATSのメンバー ©D.LEAGUE 23-24