<名古屋2-0磐田>◇第3節◇21日◇瑞穂陸

 名古屋が、MFイゴル・ブルザノビッチ(24=モンテネグロ)のJ1史上2位の長さとなる60メートルのロングシュートで磐田を下した。試合開始直後、ブルザノビッチが浮き球を自陣センターサークル付近から相手ゴールに向けて蹴ると、ボールは、強い追い風に乗ってぐんぐん伸びた。ゴールの右サイドネットが揺れたのは試合開始17秒だった。

 ベンチのストイコビッチ監督に駆け寄り、喜びを爆発させたブルザノビッチは「入ればいいな、と思って蹴ったけど、ボールがいい方向に飛んだよ」。磐田GK八田は「思ったより伸びた」と悔しがり、最後方から軌道を見届けた名古屋GK楢崎も「あれはすごい」と脱帽した。

 モンテネグロ代表の10番を背負ったテクニシャンは「予習」していた。昨年10月17日の横浜戦(日産ス)でストイコビッチ監督がベンチから同じように、ダイレクトで40メートル先の相手ゴールに「シュート」を決め、初の退席処分を受けた。「ユーチューブであのゴールを何回も見て予習したからね」と口も滑らか。同監督は「何が起きたのか分からなかったが、私の記録(40メートル)を破られてしまった。ただ、私のゴールは革靴で彼はスパイク。私の方が難しい」と意地をみせながらも、愛弟子を祝福した。【八反誠】