<国際親善試合:日本0-1ベルギー>◇14日◇ベルギー・ブリュージュ

 筋量の差が勝負を分けた。W杯で目指すサッカーは最前線から追い込み、素早く逆襲を仕掛けること。日本は他に比べ、体力には自信があるはずで、理論的には成立する話だ。しかし失点の場面では、山口も吉田も足が止まっていた。

 なぜ止まったか。それは、高い頻度の接触プレーやハードワークで体内にダメージが蓄積され、回復しないまま攻撃を受けたからだ。その根本的な原因は筋量にある。接触プレーは、多くのエネルギーを消耗する。筋量が増えると、そのダメージが軽減でき、体力消耗のスピードを緩めることができる。

 日本もW杯では研究される。ハイプレスをかける前に、相手は前線にボールをどんどん放り込むこともある。大きい相手に体をぶつけられ、常に高い緊張感をもったまま90分間を耐えることは難しい。日本の選手は、有酸素運動はするが、パワー系のトレーニングはおろそかにする傾向がある。3カ月間、高い意識でパワー系を取り入れれば、確実に筋量は増える。

 日本人特有の勤勉性、組織力、持久力、瞬発力に力強さが加われば、W杯で世界を驚かせることも不可能ではないと思う。(日刊スポーツ評論家)