東京五輪では新たに採用された空手に注目しています。というのも、ボートレーサーになる前は空手に打ち込み、世界選手権でも優勝しているんですよ。

 空手は2人の兄の影響で7歳から道場に通い、大阪府大会を小学3、4年生で優勝してましたね。練習は、ほぼ休みなし。日曜も大会や練習試合で埋まってました。中学1年で道場はやめてしまったけど、全国大会の出場権を持っていたので出たら優勝できました。男子相手に勝ってきたので、女子との試合に「負けるはずがない」と。練習を見てもらっていた兄がとにかく怖くて、兄以外に怖いものはなかった。組手は1対1で、マウスピースとグローブしかつけません。兄に鍛えられた部分は大きかったです(笑い)。その後、3連覇できました。

 敬愛女子高(現東大阪大敬愛高)3年の時に初めて全日本選手権を優勝でき、大正大2年で2度目の全日本を取りました。世界選手権(53キロ級)優勝は4年になった08年でした。この大会は日本開催。20年の東京五輪と同じですね。地元開催だけどそんなにプレッシャーも感じなかった。強気でいって勝つことしか考えてなかったです。わたしは身長157センチ、出場選手では一番小さいぐらい。でもスピードは自分が断然という自信がありました。組手はポイント制で、相手をKOする競技じゃない。大きい相手が動いた瞬間に入っていく、カウンターが有効でした。

 空手の魅力は、打ち込む時に選手が声を出すので、その気持ちが見ている人に伝わることだと思います。ぜひ見てほしいです。選手には、試合に勝つことだけを考えれば自然と結果が出る、と言いたいですね。目標を持つから逆に焦る、そう思います。わたしも2年後には一流の女子レーサーになっていたい。そのために目の前の1走1走を勝ちにいきます。

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