白鵬が10日目まで全勝で後続に2差をつけ、独走Vを決めるかに思われたが、前日11日目に敗れて1差に接近。土俵外の話題が先行した場所が、ようやく熱気を取り戻した。ただ、横綱対決は2場所連続で実現しない。1場所で6番あってもいい4横綱時代なのに、だ。

 年6場所制が定着した58年以降、番付に3人以上横綱が名を連ねながら、2場所続けて対戦がなかった例は過去2度しかない。3横綱だった58年秋と九州場所。秋は初代若乃花が14勝1敗で優勝したが、千代ノ山と栃錦が途中休場。九州も初代若乃花は準優勝だったが、2人が全休した。

 次は貴乃花、3代目若乃花、曙の99年春と夏場所。春は曙が全休し、2人が途中休場、夏は曙は皆勤したが、貴乃花が全休、若乃花が途中休場した。この2場所とも大関武蔵丸が優勝し、翌名古屋場所から4横綱となるが、5場所続けて全員皆勤はなかった。

 今場所の千秋楽結びの一番は白鵬-豪栄道戦になりそうだ。白鵬か他の力士の優勝がかかっていれば、緊張感はあるだろうが…。相撲の華の1つ、横綱対決がないのは、やはり味気ない。【加藤裕一】