しかし、雨、多いのう。虎党のそんなつぶやきが聞こえてきそうだ。この日は早々と開門予定時間の午後4時を待たずに中止が決定した。雨ばっかり…と思うが意外にも? 阪神の試合中止はこれで2度目。前回のそれはマツダスタジアムで予定されていた4月29日のゲームなので、広島戦ばかり2つ流した格好だ。

その広島戦も午後2時45分という異例とも言える早い時間に中止が決まった。その“お返し”の気もするが今季、雨でも試合を強行したケースもある。早い決定について阪神園芸・金沢健児に聞いてみた。ご存じ「神整備」の同社でもあきませんかあ-?

「予報を見ながらですからね。よく『5回までやれたらいい…』という話を聞きますが、そういうものじゃないですからね、野球は。最後までやるのが大事ですから」。中止に至った経緯を説明してくれた。

ゴールデンウイークのラストデー。その試合が雨天中止となれば、すでに完売状態となった虎党、広島ファンには気の毒だが、すっぱり決断したのはいいと思う。そんなことを思っていると、甲子園球場内の通路を藤井彰人が通った。

こちらもご存じ「男前」。現在は広島指揮官・新井貴浩を支えるヘッドコーチだ。「中止やねえ」というと「良かったですわ。コレですし」と左手首をコキコキする。「なにそれ」と返すと、物わかりの悪いヤツやなという顔で「大竹(耕太郎)ですやん」。「ウチ、大竹は全然、打てへんからね」-。

確かに昨季の大竹は広島キラーだった。7度の対戦で6勝無敗。防御率0・57と抜群の相性を発揮。実際、この日の先発予定もその雨天中止となった4月29日に「大竹を広島(戦)にあてようと思って。広島も嫌がっとるしな、大竹を」と中8日にずらしてローテを組み直したものだ。

そうは言っても8日は先発してくる予定なので、回避はできないかもしれない。「男前のぬか喜び」なのだが、それでもやってみないと分からないのはこの世界である。

いずれにせよ今季は混戦になるという大方の予想が当たっている感じだ。指揮官・岡田彰布はこの日、虎番キャップたちを前に「混戦て言うより、つぶし合いやろ」と勝負師らしい表現を使った。まさにそういう感じか。首位にいる阪神、まずは甲子園で広島をつぶしたいところだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対広島 天候不良で試合が中止となった甲子園球場(撮影・前田充)
阪神対広島 天候不良で試合が中止となった甲子園球場(撮影・前田充)
阪神対広島 天候不良で試合が中止となった甲子園球場(撮影・前田充)
阪神対広島 天候不良で試合が中止となった甲子園球場(撮影・前田充)
阪神対広島 練習を見守る阪神岡田監督(撮影・前田充)
阪神対広島 練習を見守る阪神岡田監督(撮影・前田充)
練習を見守る阪神岡田監督(撮影・前田充)
練習を見守る阪神岡田監督(撮影・前田充)
阪神対広島 GW最終日、甲子園のグラウンドにはシートが敷き詰められていたが、夜間の降雨が予想され開門を前に中止が発表された(撮影・宮崎幸一)
阪神対広島 GW最終日、甲子園のグラウンドにはシートが敷き詰められていたが、夜間の降雨が予想され開門を前に中止が発表された(撮影・宮崎幸一)